研究会メンバー 詳細
河合香吏 (かわい かおり)[主査]
所属
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・教授専門分野
人類学対象(フィールド)
東アフリカ牧畜民(ケニア、ウガンダ)おもな著書/論文
- 河合香吏編著『制度ー人類社会の進化』(京都大学学術出版会)、2013年
- Kaori KAWAI(ed.) “Groups: The Evolution of Human Sociality”(Trans Pacific Press / Kyoto University Press), 2013.
- 床呂郁哉・河合香吏共編著『ものの人類学』京都大学学術出版会、2011年
- 河合香吏編著『集団ー人類社会の進化』京都大学学術出版会、2009年
- 河合香吏編著『生きる場の人類学―土地と自然の認識・実践・表象過程』京都大学学術出版会、2007年
- 河合香吏『野の医療―牧畜民チャムスの身体世界』東京大学出版会、1998年
ひとこと
じぶんの頭で考える関連HP
http://www.aa.tufs.ac.jp/足立薫 (あだち かおる)
所属
京都産業大学・嘱託職員専門分野
霊長類学、科学史対象(フィールド)
コートジボアールのオナガザル類による混群現象、霊長類学/生態学史おもな著書/論文
- 足立薫 2003. 混群という社会. 「人間性の起源と進化」西田正規、北村光二、山極寿一編著. 昭和堂. 京都, pp. 204–220.
- 足立薫 2009. 非構造の社会学:集団の極相へ.「集団」 河合香吏編. 京都大学学術出版会, pp. 3–21.
ひとこと
観察するという経験のなかみを考えます関連HP
http://www.ritsumei.jp/伊藤詞子 (いとう のりこ)
所属
京都大学野生動物研究センター、研究員専門分野
霊長類学、人類学対象(フィールド)
野生チンパンジー(マハレ山塊公立公園、タンザニア)、飼育下のチンパンジーとヒト(林原類人猿研究センター、岡山)おもな著書/論文
- Itoh N, Nakamura M, Ihobe H, Uehara S, Zamma K, Pintea L, Seimon A & Nishida T. 2012. Long-term changes in the social and natural environments surrounding the chimpanzees of the Mahale Mountains National Park. In: “The Ecological Impact of Long-Term Changes in Africa’s Rift Valley” Plumptre AJ (Ed.). NOVA Science Publishers. pp: 249–277.
- 伊藤詞子. 2010. 群れの移動はどのようにして始まるのか?〜金華山の野生ニホンザル.木村大治、中村美知夫、高梨克也編『インタラクションの境界と接続』昭和堂 275–293頁
- 伊藤詞子. 2009. チンパンジーの集団:メスから見た世界. 河合香吏編、『集団 〜人類社会の進化』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所89–97頁
- Itoh, N and Nishida, T. 2007. Chimpanzee grouping patterns and food availability in Mahale Mountains National Park, Tanzania. Primates 48: 87&nadsh;96.
ひとこと
知魚楽!関連HP
https://sites.google.com/site/noriitohhomejp/内堀基光 (うちぼり もとみつ)
所属
放送大学教養学部・教授専門分野
人類学、民族学対象(フィールド)
ボルネオ島、マダガスカル島おもな著書/論文
- 2012 論文 「ザフィマニリ集落とヴァトゥ・ラヒ建立をめぐる覚え書き」、飯田卓編『マダガスカル地域文化の動態』(国立民族学博物館調査報告/SenriEthnological Reports 103)、人間文化研究機構国立民族学博物館 171–185
- 2012 概説書 『「ひと学」への招待:人類の文化と自然』、放送大学印刷教材、放送教育振興会、196pp.
- 2011 論文 「サラワク・イバン社会総体の生業布置──それはいかに語りうるか」、松井健編『グローバリゼーションと〈生きる世界〉:生業からみる人類学的現在』、昭和堂、21–63.
- 2011 論文 ‘Theoretical Themes for an Anthropology of Resources’, Social Science Information 50(1), 142–153.
- 2010 論文 ‘My Kind of Ethnology/Anthropology: On the Determined Schism between Micro- and Macro-scale Perspectives’, Japanese Review of Cultural Anthropology Vo.11, 3–23.
- 2010 概説書 『人類学研究──環境問題の文化人類学』(本多俊和との共編著)、放送大学大学院印刷教材、放送教育振興会、236 pp.
- 2009 論文 「マクロとミクロに引き裂かれてあるものとしての(私の)民族学/人類学」、『文化人類学』74巻3号、日本文化人類学会、373–389
- 2009 論文 「単独者の集まり──孤独と『見えない』集団のあいだで」、『集団──人類社会の進化』(河合香吏編)、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所/京都大学学術出版会、23–38
- 2009 論文 「『先住民』の誕生──Indigenous People(s)の翻訳をめぐるパロディカル試論」、『先住民とはだれか』(窪田幸子編)、世界思想社、61–88
- 2008 概説書 『新版 文化人類学』(本多俊和との共編著)、放送大学印刷教材、放送大学教育振興会、212pp.
ひとこと
この研究会では、「他者」としては見えない他者を探っていこうと思います。チンパンジーにおいても「見えない」他者は問題になるようですが、人類における「見えなさ」の広がりを考えることにします。関連HP
http://home.att.ne.jp/apple/uchibori_m/大村敬一 (おおむら けいいち)
所属
大阪大学・大学院言語文化研究科・准教授専門分野
文化人類学対象(フィールド)
カナダ極北圏のイヌイトおもな著書/論文
- 『極北と森林の記憶:イヌイットと北西海岸インディアンのアート』(齋藤玲子, 岸上伸啓, 大村敬一編)京都:昭和堂, 2009年. 154頁.
- 『グローバリゼーションの人類学:争いと和解の諸相』(本多俊和,大村敬一編)東京:放送大学教育振興会, 2011年. 244頁.
- 翻訳『プリミティブ アート』(Primitive Art. Franz Boas)言叢社, 2011年. 653頁.
- 「イヌイトは何になろうとしているのか?:カナダ・ヌナヴト準州のIQ問題にみる先住民の未来」『先住民とは誰か?』(窪田幸子・野林厚志編)世界思想社, p.155–178, 2009年.
- 「集団のオントロギー:<分かち合い>と生業のメカニズム」『集団:人類社会の進化』(河合香吏編)京都大学学術出版会, pp. 101–122, 2009年.
- 「自然=文化相対主義に向けて:イヌイトの先住民運動からみるグローバリゼーションの未来」『文化人類学』75(1): 54–72, 2010年.
- 「二重に生きる:カナダ・イヌイト社会の生業と生産の社会的布置」『グローバリゼーションと<生きる世界>:生業からみた人類学的現在』(松井健・名和克郎・野林厚志編)昭和堂, pp. 65–96, 2011年.
- 「人類史の万華鏡としての文化:ボアズにみる人類学的思考の可能性」『プリミティヴ アート』(フランツ・ボアズ著、大村敬一訳)言叢社, pp. 455–546, 2011年.
- 「<社交の技術>としての芸術:<芸術>と<伝統文化>を超えて」『現代社会と先住民文化:観光・芸術から考えるA』(第25回北方民族文化シンポジウム報告書)網走:北海道立北方民族博物館, pp. 49–54, 2011年.
- 「学習の三つの顔:カナダ・イヌイトの学習をめぐる諸問題」『狩猟採集民の調査に基づくヒトの学習行動の実証的研究:文部科学省科学研究費補助金(新学術領域研究2010-2014)交代劇A02班 研究報告書』(寺嶋秀明編)神戸学院大学人文学部, pp.35–42, 2011年.
- 「大地に根ざして宇宙を目指す:イヌイトの先住民運動と「モノの議会」が指し示す未来への希望」『現代思想』39 (16): 153–169, 2011年.
- 討議「生存のエコロジー」(中村佳子、大村敬一、遠藤彰、近藤和敬)『現代思想』39 (16):56–77, 2011年.
- 「マルチチュードの絶対的民主主義は可能か?:カナダ・イヌイトの生業からみる生政治的生産の可能性」『生業と生産の社会的布置:<いま、ここ>のリアリティとグローバリゼーション』(松井健・野林厚志・名和克郎編)岩田書店, pp. 343–364, 2012年.
- 「技術のオントロギー:イヌイトの技術複合システムを通してみる自然=文化人類学の可能性」『文化人類学』77 (1): 105–127, 2012年.
- 「パッケージ学習進化仮説:文化人類学からみる現生人類とネアンデルターレンシスの交替劇」『狩猟採集民の調査に基づくヒトの学習行動の実証的研究:文部科学省科学研究費補助金(新学術領域研究2010-2014)交代劇A02班 研究報告書』(寺嶋秀明編)神戸学院大学人文学部, 2012年.
- 「在来知のオントロギー:イヌイトの知識にみる記憶の弁証法的運動」『マイクロサッカードとしての在来知に関する人類学的研究:日本学術振興会科学研究費補助金・基盤研究(B)報告書』(杉山祐子編)弘前大学人文学部(印刷中)
- 「未来の二つの顔に:モノの議会とイヌイトの先住民運動にみるグローバル・ネットワークの希望」『グローバリゼーションズ:人類学、歴史学、地域研究の現場から』(三尾裕子・床呂郁哉編)弘文堂, 2012年.
ひとこと
他者という地獄でのたうちまわり、できれば、「他者のための空洞」を自分の中につくってゆきたいです。頑張ります。関連HP
http://www.osaka-u.ac.jp/ja亀井伸孝 (かめい のぶたか)
所属
愛知県立大学外国語学部専門分野
文化人類学、アフリカ地域研究対象(フィールド)
おもに西・中部アフリカ諸国を調査地とするおもな著書/論文
- 亀井伸孝. 2010.『森の小さな〈ハンター〉たち: 狩猟採集民の子どもの民族誌』京都: 京都大学学術出版会.
- 亀井伸孝. 2006.『アフリカのろう者と手話の歴史: A・J・フォスターの「王国」を訪ねて』東京: 明石書店. [2007年度国際開発学会奨励賞受賞]
- 亀井伸孝. 2009.『手話の世界を訪ねよう』(岩波ジュニア新書 630) 東京: 岩波書店. [厚生労働省「児童福祉文化財」推薦図書]
ひとこと
文化人類学の社会的活用に関心があります。日本文化人類学会の課題研究懇談会「応答の人類学」を主催。関連HP
http://kamei.aacore.jp/北村光二 (きたむら こうじ)
所属
岡山大学大学院社会文化科学研究科専門分野
人類学対象(フィールド)
東アフリカ牧畜社会、日本及びオセアニアの島嶼社会おもな著書/論文
- 『人間性の起源と進化』(昭和堂、共編著)
- 『生きる場の人類学:土地と自然の認識・実践・表象過程』(京都大学学術出版会、共著)
- 『集団:人類社会の進化』(京都大学学術出版会、共著)など。
ひとこと
このグローバルな競争社会を生き抜くうえで人類学は何の役に立つのかを考えたい熊野純彦 (くまの すみひこ)
所属
東京大学大学院人文社会系研究科・教授専門分野
倫理学、哲学史対象(フィールド)
西洋近現代思想おもな著書/論文
[著書]- 『レヴィナス 移ろいゆくものへの視線』岩波書店 1999年
- 『レヴィナス入門』ちくま新書 1999年
- 『ヘーゲル 〈他なるもの〉をめぐる思考』筑摩書房 2002年
- 『カント 世界の限界を経験することは可能か』NHK出版 2002年
- 『差異と隔たり 他なるものへの倫理』岩波書店 2003年
- 『戦後思想の一断面 哲学者廣松渉の軌跡』ナカニシヤ出版 2004年
- 『メルロ=ポンティ 哲学者は詩人でありうるか?』NHK出版 2005年
- 『西洋哲学史 古代から中世へ』岩波新書 2006年
- 『西洋哲学史 近代から現代へ』岩波新書 2006年
- 『和辻哲郎 文人哲学者の軌跡』岩波新書 2009年
- 『埴谷雄高 夢みるカント』講談社,2010年
[編著]
- 『現代哲学の名著』中公新書 2009年
- 『日本哲学小史』中公新書 2009年
- 『近代哲学の名著』中公新書 2011年
- 『西洋哲学史』T〜W,講談社 2011/12年 ほか
[翻訳]
- レヴィナス『全体性と無限』上下,岩波文庫 2005/6年
- レーヴィット『共同存在の現象学』岩波文庫 2008年
- カント『純粋理性批判』作品社 2012年
[論文]
- 「空間経験の基層―哲学的思考と人類学的思考の交叉の一事例として」出口顯・三尾稔編『人類学的比較再考』(『国立民族博物館調査報告』90),23-39頁,国立民族博物館 2010年
- 「世界と他者を肯定する思考のために−レヴィナスのモチーフをめぐって」『現代思想』40-3号,322-334頁,青土社 2011年
- 「マルクスをどう読むか−時間論としての資本論」『立命館哲学』第23集,1-38頁,立命館大学哲学会 2012年
- 「反復と模倣−源氏物語・回帰する時間の悲劇によせて」『季刊 日本思想史』第80号,128-152頁,ぺりかん社,2012年 ほか
ひとこと
いわゆる専門にとらわれない関心を持ちつづけたいと思っています。いま現在は,マルクス『資本論』の読解をめぐって書下ろしを準備中。関連HP
http://www.l.u-tokyo.ac.jp/黒田末寿 (くろだ すえひさ)
所属
滋賀県立大学・名誉教授専門分野
地域学、霊長類社会学、人類進化学対象(フィールド)
滋賀県中山間地の伝統的農林業の実践研究・地域活性化、コンゴ民主共和国・コンゴ共和国でボノボ・チンパンジー・ゴリラの社会・生態の研究おもな著書/論文
- 2012「滋賀県高時川流域の焼畑技法」『人間文化』(滋賀県立大学)vol.31:2–11.
- 2012「滋賀県余呉町の1960 年代の焼畑と実地に学ぶ焼畑」矢嶋吉司・安藤和雄編『ざいちのち:実践型地域研究最終報告書』京都大学東南アジア研究所:73–84.
- 2011「霊長類世界における「モノ」とその社会性の誕生」床呂郁哉・河合香吏編『ものの人類学』京都大学出版会:299-319.
- 2010「『人間平等起源論』における平等原則の系譜」『人間文化』(神戸学院大学)vol.27: 3–6.
- 2009「人間性という境界への問い:類人猿と通底するもの・しないもの」『文化と哲学』静岡大学哲学会,vol.29: 65–72.
- 2009「集団的興奮と原始的戦争:平等原則とは何ものか?」河合香吏編『集団:人類社会の進化』京都大学出版会: 255–274.
- 2007「火と牛が作った風景:高島市椋川のホトラ山」『人間文化』(滋賀県立大学)vol.21: 12–18.
ひとこと
霊長類社会学では「他者」は難問と思う。ボノボとチンパンジーの集団間関係の違いから類人猿社会における「他者」を捉まえることができるかどうか。その辺から始めたい。椎野若菜 (しいの わかな)
所属
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 准教授専門分野
社会人類学 民族誌学対象(フィールド)
ルオ系の人びと ケニア西部、ウガンダ北部おもな著書/論文
- 『結婚と死をめぐる女の民族誌―ケニア・ルオ社会の寡婦が男を選ぶとき』2008年、世界思想社(単著)
- 『やもめぐらし―寡婦の文化人類学』2007年、明石書店(編著)
- 『セックスの人類学』2009年、春風社(共編著)
- 『「シングル」で生きる―人類学者のフィールドから』2010年、御茶の水書房(編著)
ひとこと
【研究のモットー】専門を基軸に、他分野から学ぶ【いまの関心事】各地域のシングル、妊娠・出産・子育て、セクシュアリティ、学際研究
【この研究会にのぞむこと】ひらかれた研究の場
関連HP
http://wakana-luo.aacore.jp/杉山祐子 (すぎやま ゆうこ)
所属
弘前大学人文学部・教授専門分野
生態人類学、アフリカ農耕社会の研究、日本の地方対象(フィールド)
ザンビア、タンザニア、青森おもな著書/論文
- 2011年3月『ものづくりに生きる人々ー旧城下町弘前の職人』杉山祐子・山口恵子共編 弘前大学出版会
- 2011年2月「『ベンバ的イノベーション』に関する考察」伊谷樹一・掛谷誠 編『アフリカ地域研究と農村開発』第5章1京都大学学術出版会 pp.215-245
- 2009年12月「『われらベンバ』の小さな村─居住集団の日常と王国をつなぐしかけ」河合香吏編『集団ー人類社会の進化』京都大学学術出版会 pp.223-244
- 2008年3月 『津軽、近代化のダイナミズム』御茶の水書房(山下祐介、作道信介、杉山祐子共編)
- 2007年11月 「食物の道、お金の道、敬意の道-現金・食物・ミオンボ林ーアフリカ焼畑農耕民における資源と脱資源化のプロセス」春日直樹編『貨幣と資源』弘文堂
- 2007年 「『ミオンボ林ならどこへでも』という信念について─焼畑農耕民ベンバの移動性に関する考察」河合香吏編『生きる場の人類学:土地と自然の認識・実践・表象過程』京都大学学術出版会:239-270
ひとこと
人とモノ、環境との関わりかた、在来知などに関心をもっています。「人類の進化的基盤」という難しい課題にいつもウグウグしていますが、この研究会は、「サル屋」と自称する研究者の方々との忌憚なきやりとりが独特の雰囲気を醸し出しているとおもいます。関連HP
http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp/曽我亨 (そが とおる)
所属
弘前大学・人文学部専門分野
生態人類学、難民化する牧畜民の研究対象(フィールド)
ケニア、エチオピアおもな著書/論文
- 曽我亨「砂漠の民―過酷な環境を生き抜く工夫」松田素二・津田みわ(編)『ケニアを知るための55章』明石書店,2012:37–41.〔査読無〕
- 高倉浩樹・曽我亨『シベリアとアフリカの遊牧民』東北大学出版会, 2011.〔査読有〕(著書)
- Soga, T., : Refugee Life as an Extension of Pastoral Life: Survival Strategies of the Gabra Miigo Pastoralists in Southern Ethiopia. Nilo-Ethiopian Studies. 2011; 16: 13–27. 〔査読有〕
- 曽我亨「国家に抗する拠点としての生業――牧畜民ガブラ・ミゴの難民戦術」松井健編『生業と生産の社会的布置』昭和堂,2011.〔査読有〕
- 曽我亨「感知される「まとまり」―可視的な「集団」と不可視の「範疇」の間」河合香吏編『集団―人類社会の進化』京都大学出版会, 2009: 203–222. 〔査読有〕
- Soga, T., : Sharing System of the “Scarce Resources” in Southern Ethiopia. Svein Ege, Harald Aspen, Birhanu Teferra and Shiferaw Bekele (eds), In Proceedings of the 16th International Conference of Ethiopian Studies. Trondheim. 2009; 357–367. 〔査読有〕
ひとこと
この研究会では、できるだけ霊長類学者のような視線で人間のことを考えたいと思っています。関連HP
http://human.cc.hirosaki-u.ac.jp竹ノ下祐二 (たけのした ゆうじ)
所属
中部学院大学子ども学部・准教授専門分野
霊長類学、人類学対象(フィールド)
研究対象はチンパンジー、ゴリラ、ニホンザル。現在のフィールドはガボン、ムカラバドゥドゥ国立公園
おもな著書/論文
- 竹ノ下祐二(2012)類人猿における社会性の形成と発達.子どもと発育発達,10(3)
- Takenoshita, Y., Maekawa, Y. (2012). 19 Importance of the Arashiyama-Kyoto Japanese macaques in science and environmental education. In Leca JB, Huffman MA, Vasey PL (eds.) The Monkeys of Stormy Mountain: 60 Years of Primatological Research on the Japanese Macaques of Arashiyama (p. 45–). Cambridge Univ Pr.
- Takenoshita, Y. (2012). 10 Box essay Male homosexual behaviour in Arashiyama macaques. In Leca JB, Huffman MA, Vasey PL (eds.) The Monkeys of Stormy Mountain: 60 Years of Primatological Research on the Japanese Macaques of Arashiyama, 173–185. Cambridge Univ Pr. ・Takenoshtia Y, Yamagiwa J (2008). Estimating gorilla abundance by dung count in the northern part of Moukalaba-Doudou National Park, Gabon. African Study Monograph, S29:41–54.
- Takenoshtia Y, Ando C, Iwata Y, Yamagiwa J (2008) Fruit phenology of the great ape habitat in the Moukalaba-Doudou National Park, Gabon. African Study Monograph, S29:23–40.
ひとこと
・自分の目で見たことから考えることを心がけています。・目下の関心事はヒトの「共同育児」の進化
・この研究会では「他者」概念の有効性、重要性を生態学・進化生物学プロパーの人たちにも届けられる形にしたいと思っています。
関連HP
http://ape.chubu-gu.ac.jp田中雅一 (たなか まさかず)
所属
京都大学人文科学研究所・教授専門分野
文化・社会人類学、ジェンダー・セクシュアリティ研究、宗教研究対象(フィールド)
南アジア、日本おもな著書/論文
- 2002『供犠世界の変貌 南アジアの歴史人類学』法藏館
- 2010『癒しとイヤラシ エロスの文化人類学』
- 2011–12田中ほか共編『コンタクト・ゾーンの人文学』(全4巻)
ひとこと
集団、制度、他者と続く「人類社会の進化史的基盤研究論研究」班ですが、「他者」が一番燃えるテーマです。他者研究においては集団研究での成果をさらに発展させるかたちで、代理、犠牲、身代わり、誘惑、転移などをキーワードに自他の関係を考えてみたいです。関連HP
個人HP http://www.zinbun.kyoto-u.ac.jp/~shakti/京大文化人類学研究室HP http://www.anth.jinkan.kyoto-u.ac.jp/
寺嶋秀明 (てらしま ひであき)
所属
神戸学院大学・人文学部専門分野
人類学/生態人類学、狩猟採集民研究、学習と教育の進化対象(フィールド)
コンゴ民主共和国、カメルーン、沖縄おもな著書/論文
- 2012 「教示なき学習の普遍性と有効性について」『交替劇 A-02 班研究報告書 No.2』pp.1–12.
- 2011 「ヒトの学習行動─狩猟採集民・子ども・遊び」『交替劇 A-02 班研究報告書 No.1』pp.1–6.
- 2010 『平等論ー霊長類と人における平等性と社会性の進化』(ナカニシヤ出版)
- 2010 「森が生んだ言葉―イトゥリのピグミーにおける動植物の名前と属性についての比較研究」木村大治・北西功一編『森棲みの生態誌―アフリカ熱帯林の人・自然・歴史』京都大学学術出版会,165–189.
- 2009 「「今ここの集団」から「はるかな集団」まで:狩猟採集民のバンド」河合香吏編『集団―人類社会の進化』京都大学学術出版会,183–201.
- 2008 「伊谷純一郎の「人間平等起原論」をめぐって」『人間文化』23: 1–12.
- 2007 The status of birds in the natural world of the Ituri Forest hunter-gatherers. In E. Dounias et al. (eds.) Animal Symbolism: Animals, Keystone in the Relationship between Man and Nature? IRD, Paris (CD-ROM), 191–206.
- 2007 「からだの資源性とその拡張 ─ 生態人類的考察」菅原和孝編『資源人類学9 ─ 身体資源の共有』弘文堂,29–58.
- 2007 「鳥のお告げと獣の問いかけ ─ 自然との相互交渉」河合香吏編『生きる場の人類学 ─ 土地・認識・表象の人類学』京都大学学術出版会,3–24.
ひとこと
この研究会は,決定的な理解はほとんど不可能にみえるにもかかわらずなお一層人々の関心を引いてやまない「人間社会の進化・人間性の進化」に対して,人文・社会科学的(理学的はもちろんのこと)スタンスから堂々と論を展開・主張できる希有な場です。多くの立場からつぎつぎと学問的イノベーションが出てくる事をわくわくしながら期待しています。私自身は,いろいろな成り行きにより,透明な自然のただ中から教育の闇の中へとフォーカスを移していますが,はたしてうまく次のステージに進化できるものやら,袋小路に入って絶滅危惧種となるか定かではありません。みなさまのご支援とご協力をまつばかりです。どうぞよろしくお願いします。関連HP
http://www.koutaigeki-a02.org/drupal/node床呂郁哉 (ところ いくや)
所属
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・准教授専門分野
人類学対象(フィールド)
東南アジア、沖縄、日本、もの研究おもな著書/論文
単著- 『越境―スールー海域世界から』岩波書店
- 『グローバリゼーションズ』三尾裕子と共編、弘文堂、2012年
- 『東南アジアのイスラーム』西井凉子・福島康博と共編、東京外国語大学出版会、2012年
- 『ものの人類学』河合香吏と共編、京都大学 学術出版会、2011年
- 「プライマリー・グローバリゼーション−もうひとつのグローバリゼーションに関する人類学的試論」『文化人類学』75巻1号、pp.120–135、2010年
- 「暴力と集団の自己創出−海賊と報復の民族誌から」河合香吏(編)『集団 人類社会の進化』pp.123-147 、京都大学学術出版会、2009年
ひとこと
本研究会では「他者」としての「もの」の問題などを考えています。中村美知夫 (なかむら みちお)
所属
京都大学野生動物研究センター・准教授専門分野
人類学、野生チンパンジーの社会・文化研究対象(フィールド)
タンザニア、マハレ山塊国立公園おもな著書/論文
- Nakamura M, Nishida T 2013. Ontogeny of a social custom in wild chimpanzees: Age changes in grooming hand-clasp at Mahale. Am J Primatol 75:186–196.
- 中村美知夫 2009. 『チンパンジー―ことばのない彼らが語ること』中公新書.
- Nakamura M 2009. Interaction studies in Japanese primatology: their scope, uniqueness, and the future. Primates 50:142–152.
ひとこと
自然科学の分野で「他者」が扱われることはまずありませんが、私はヒト以外の霊長類にも「他者」は存在すると考えています。なかなか他の場所ではそうした議論を深めることはできないので、研究会を楽しみにしています。関連HP
http://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/nakamura/西井凉子 (にしい りょうこ)
所属
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・教授専門分野
人類学対象(フィールド)
東南アジア大陸部(タイ)おもな著書/論文
- 2012「南タイの学校における憑依の社会空間―情動のエスノグラフィにむけて」『アジア・アフリカ言語文化研究』84:141–162.
- 2012「動員のプロセスとしてのコミュニティ、あるいは「生成する」コミュニティ―南タイのイスラーム復興運動」平井京之介編『実践としてのコミュニティ 移動・国家・運動』京都大学学術出版会:273–309, 2月20日.
- 2012 床呂郁哉・西井凉子・福島康博編『東南アジアのイスラーム』東京外国語大学出版会:123–144, 4月10日(2012年3月30日発行のAA版の市販版).
- 2011 西井凉子編『時間の人類学―情動・自然・社会空間』世界思想社.
- 2010「日常性の中の「他者」化−南タイの暴力事件におけるムスリム−仏教徒関係から」深沢克己編『ユーラシア諸宗教の関係史論』勉誠出版:113-146.
- 2007.「『出来事』のエスノグラフィー―南タイにおけるエビ養殖という投機的行為の流れ」河合香吏編『生きる場の人類学―土地と自然の認識・実践・表象過程』京都大学学術出版会、pp.297–330.
- 2006 西井凉子・田辺繁治編『社会空間の人類学―マテリアリティ、主体、モダニティ』世界思想社.
- 2002.「硬直する身体―南タイにおけるムスリムと仏教徒」田辺繁治・松田素二編『日常的実践のエスノグラフィ』世界思想社: 235–264.
- 2002.“Social Memory as it Emerges: A Consideration of the Death of a Young Convert on the West Coast in Southern Thailand”, in Shigeharu Tanabe and Charles F. Keyes (eds.), Cultural Crisis and Social Memory: Modernity and Identity in Thailand and Laos. London: Routledge Curzon.
- 2001.『死をめぐる実践宗教−南タイのムスリム・仏教徒関係へのパースペクティ ヴ』アジア・アフリカ言語文化研究所叢書37、世界思想社
- 2000 “Emergence and transformation of peripheral identity: Sam on the Thai-Malaysian border”, in Andrew Turton (ed.) Civility and savagery: social identity in Tai states. London: Curzon Press.
ひとこと
自分の体で考える関連HP
http://www.aa.tufs.ac.jp/西江仁徳 (にしえ ひとなる)
所属
京都大学野生動物研究センター・教務補佐員専門分野
霊長類学・人類学対象(フィールド)
野生チンパンジー(タンザニア・マハレ山塊国立公園)おもな著書/論文
- Nishie H. 2011. Natural history of Camponotus ant-fishing by the M group chimpanzees at the Mahale Mountains National Park, Tanzania. Primates 52:329–342.
- 西江仁徳, 2010. 「相互行為は終わらない―野生チンパンジーの「冗長な」やりとり」『インタラクションの境界と接続―サル・人・会話研究から』木村大 治, 中村美知夫, 高梨克也(編), 昭和堂,pp. 387–396.
- 西江仁徳, 2008. 「チンパンジーの「文化」と社会性−『知識の伝達メタファー』再考」『霊長類研究』24(2):73–90.
ひとこと
チンパンジーの生きる世界に現れる『他者』の姿を、ていねいに記述したいと思います。関連HP
http://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/members/nishie.html花村俊吉 (はなむら しゅんきち)
所属
日本学術振興会/京都大学野生動物研究センター専門分野
霊長類社会学、人類学対象(フィールド)
野生チンパンジー(タンザニア・マハレ山塊国立公園)、ニホンザル(京都市・嵐山モンキーパークいわたやま)おもな著書/論文
- 花村俊吉 2010 偶有性にたゆたうチンパンジー―長距離音声を介した相互行為と共在のあり方. 木村大治, 中村美知夫, 高梨克也編「インタラクションの境界と接続―サル・人・会話研究から」昭和堂, 京都. pp: 185–204.
- 花村俊吉, 布施未恵子 2010 「他者」としての他個体と「社会的な複雑さ」:特集の趣旨説明. 霊長類研究 26: 121–129.
- 花村俊吉 2010 チンパンジーの長距離音声を介した行為接続のやり方と視界外に拡がる場の様態. 霊長類研究 26: 159–176.
- 花村俊吉 2010 行為の接続と場の様態との循環的プロセス(コメントに対する返答). 霊長類研究 26: 213–219.
ひとこと
野生チンパンジーは離合集散する集団を形成します。メスの多くは、10歳頃に出身集団を出て他集団に出入りするようになり、出産を迎えた集団に留まります。メスが新たな集団に移入してそこで在住するという現象、すなわち「よそ者」が「仲間」になり集団を再生産する過程について、メスの他個体との付き合い方の変化に着目して考えてみたいです。
関連HP
http://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/members/hanamura.html早木仁成 (はやき ひとしげ)
所属
神戸学院大学人文学部専門分野
人類学、霊長類社会学対象(フィールド)
ニホンザル、チンパンジー、ヒトおもな著書/論文
- 『チンパンジーのなかのヒト』、裳華房(1990年)。
- 「霊長類の遊びと人類の進化」、文部科学省科学研究費補助金「交替劇」A02班研究報告書No.1:49-56(2011年).
ひとこと
この研究会はシンプルかつ本質的なテーマ設定なので、それなりの覚悟が要りますね。関連HP
http://www.kobegakuin.ac.jp船曳建夫 (ふなびき たけお)
所属
船曳建夫事務所 代表、東京大学(大学院総合文化研究科)名誉教授専門分野
文化人類学対象(フィールド)
メラネシア(ヴァヌアツ、パプアニューギニア)、日本(山形県庄内平野)、東アジア(中国、韓国)おもな著書/論文
- 『国民文化が生れる時』(94年・リブロポート)
- 『知の技法』(94年・東京大学出版会)
- 『柳田国男』(00年・筑摩書房)
- 『「日本人論」再考』(03年・NHK出版;10年、講談社学術文庫)
- LIVING FIELD, (12年・The University Museum, The University of Tokyo)
ひとこと
これまで、文化人類学の領域で関心を持っていたテーマを、サルから人までの大きな視野で、考え直したいです。関連HP
http://www.funabiki.com/星泉 (ほし いずみ)
所属
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・准教授専門分野
言語学、チベット語文法研究、物語・文学研究対象(フィールド)
チベット文化圏全般おもな著書/論文
- Izumi Hoshi. 2013. "The Flow of Eastern Tibetan Colloquial ˆe into Middle Tibetan", 『研究年報 49 Historical Development of the Tibetan Languages (Proceedings of the Workshop B of the 17th Himalayan Languages Symposium)』 (49) 71-83. 神戸市外国語大学.
- トンドゥプジャ(著)/チベット文学研究会[星泉、大川謙作、海老原志穂、三浦順子](編訳) . 2012.『チベット現代文学の曙 ここにも激しく躍動する生きた心臓がある』東京:勉誠出版.
- ホルカン・ソナムペンバー(著)/星泉・大川謙作(編)/ゲンドゥンチュンペー研究会[星泉、大川謙作、浅井万友美、海老原志穂、三浦順子](訳) . 2012.『ゲンドゥンチュンペー伝 チベットの伝説の学僧の生と死』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
- 星泉. 2010.「14世紀チベット語文献『王統明示鏡』における存在動詞」, 『東京大学言語学論集』 (29) 29-68.
- 星泉. 2003.『現代チベット語動詞辞典(ラサ方言)』(アジア・アフリカ基礎語彙集 Vol.42), 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所.
ひとこと
言語学から出発しましたが、チベットの豊かな物語世界にはまり、文法研究と並行して物語や文学の研究をするようになりました。 この研究会では文法現象にたちあらわれる「他者」について考えてみたいと思っています。関連HP
http://researchmap.jp/hoshi_izumi/山越言 (やまこし げん)
所属
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・准教授専門分野
アフリカ地域研究、霊長類学対象(フィールド)
野生動物と人との関係おもな著書/論文
- 山越言(2012) 「在来知と科学知とが遭遇する場−西アフリカの農村における里の動物としてのチンパンジー保全−」速水洋子、西真如、木村周平編『人間圏の再構築−熱帯社会の潜在力−』京都大学学術出版会、京都、pp.299–312.
- Yamakoshi G (2011) The “prehistory” before 1976: Looking back on three decades of research on Bossou chimpanzees. In: The Chimpanzees of Bossou and Nimba (T. Matsuzawa, T Humle, Y. Sugiyama, eds.). Springer, Tokyo, pp. 35–44.
- 山越言 (2011) 「道具使用行動の起源と人類進化」床呂郁哉、河合香吏編『ものの人類学』京都大学学術出版会、京都、pp.281–98.
- 山越言(2009)「ギニア南部森林地域における村落林の生態史―ドーナツ状森林の機能と成因」 池谷和信編『地球環境史からの問い』岩波書店、東京、pp 208–16.
- 山越言(2009)「野生動物とともに暮らす知恵: 西アフリカ農村の動物観とチンパンジー保全」 ヒトと動物の関係学会誌23: 22–26.
- 山越言(2006)「野生チンパンジーとの共存を支える在来知に基づいた保全モデル−ギニア・ボッソウ村における住民運動の事例から−」『環境社会学研究』12: 120–135.